【ヘアメイクの歴史】江戸時代 白肌への憧れ

江戸時代の美容書「都風俗化粧伝」を見てみると、当時の美意識を知ることができます。
その中でも白い肌に関する美容メソッドが多く紹介されています。
今回は江戸時代の女性に対して書かれた白肌の価値や美白方法を見ていきましょう。
目次
白い肌は七難隠す?
江戸時代に京都で発刊され大正時代まで読み継がれた美容書「都風俗化粧(けわい)伝」では以下のように述べられており、白肌への当時の評価を知ることができます。
人生まれながらにして三十二相揃いたる美人というは至って少なきもの也。化粧の仕様、顔の作りようにて、よく美人となさしむべし。その中にも色の白きを第一とす。色のしろは七難隠すと、諺(ことわざ)にいえり。
都風俗化粧伝 壱第 顔面之部 頭書より
江戸時代の美白法

具体的には以下のような方法が紹介されています。
- 色を白くする薬:鉛※、白檀、水銀粉※、蛤の殻を細かくすり潰し、卵の白身に解いて、顔にすり込み、糠で洗い落とすと肌が白く、キメが細かくなる。また腫物(できもの)も治る。
- 色を白くし光沢(つや)を出す薬:蜜陀僧(みつだそう/一酸化鉛※)を粉末にしたものに水を加え、湯煎し夜に顔に塗って寝ると、肌が白くなる。
- 色を白くする方法:白水(しろみず/米のとぎ汁)の沈殿物を日に干したものを顔に塗って寝ると色が白くなる。
※現在では鉛や水銀は人体に有害なことが分かっています。
人体に有害なものを含んでいるところが残念ですが、具体的に実践方法が記載されているため、多くの人が白い肌を得るために参考にしていたことが想像できます。
まとめ
現在では生まれながらの肌の色が美しいと考えられるようになり、更に日に焼けた肌が流行ったこともあり、肌の色に対する理想も多様化しています。
それでも、美白化粧品を多く見かけることからも白い肌への支持は根強いものがあることがわかります。
参考資料:
都風俗化粧伝 校注者 高橋雅夫、
日本の化粧の変遷100年 資生堂ビューティークリエイションセンター 図書刊行会
化粧の世界 リサ・エルドリッジ
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